大鏡 - オンライン読書
大鏡 - 右大臣良相
このおとどは、冬嗣のおとどの五郎。御母は、白川の大臣に同じ。大臣の位にて十一年、贈正一位。西三条の大臣と申す。浄蔵定額を御祈の師にて御座す。千手陀羅尼の験徳かぶり給ふ人なり。この大臣の御女子の御ことよく知らず。一人ぞ、水尾の御時の女御。男子は、大納言常行卿と聞こえし。御子二人御座せしも、五位にて典薬助・主殿頭など言ひて、いとあさくてやみ給ひにき。かくばかり末栄え給ひける中納言殿を、やへやへの御弟にて、越え奉り給ひける御あやまちにや、とこそおぼえ侍れ。
大鏡 - 権中納言従二位左兵衛督長良